◆はじめに AI関連技術に限らず、技術的成果をどのような形で保護するかは、知財戦略において重要な判断事項です。特許出願による公開と引き換えに独占権を得る方法と、技術情報を非公開にして秘密として管理する方法(営業秘密)のいずれが適切かは、企業の目的やリスク許容度によって異なります。 1. 特許と営業秘密の特徴 特許は出願・登録によって一定期間の独占権を得られる一方、公開されるため第三者に技術が知られてしまうリスクがあります。一方、営業秘密は登録不要で期間制限がありませんが、秘密管理や漏洩防止措置が不十分だと保護が失われてしまいます。...